アレルギーと免疫の仕組みは人も犬猫も同じ

飼い主である人(人間)のアレルギー性疾患の増加とともに、人の大切な伴侶、パートナーである家族同然の犬や猫のアレルギー性疾患も増えています。
犬猫のアレルギーについて詳しく解説していきます。

「うちの子は若いからアレルギーは大丈夫では?」この様な質問を受ける事が多くありますが、そう考えるのは早計です。

《両親ともにアレルギーがある場合に赤ちゃんに遺伝する確率は8割、ママからの遺伝が6〜7割、パパからの遺伝が5〜6割と言われています。》

この数値は人のものですが犬も例外ではありません。
全てのアレルギーが後天的で0歳から蓄積されたものだけではないということを知る必要があります。
年を重ねてのアレルギーを知る事も重要ですが、1年足らずという短期間で成長をする犬猫にとって幼少期にアレルゲンを把握し対処することも重要であると考えます。

まずは犬、猫の通院(入院)が多いランキングをみてみましょう。

犬の通院ランキング
  • 1位 皮膚炎
  • 2位 外耳炎
  • 3位 胃腸炎
  • 4位 下痢
  • 5位 誤飲
猫の通院ランキング
  • 1位 下痢
  • 2位 皮膚炎
  • 3位 肝臓病
  • 4位 胃腸炎
  • 5位 結膜炎
犬、猫共にアレルギーの可能性がある病状が上位(赤文字)を占めています。ここではアレルギーがなぜおこるのか、またその症状を中心にご説明していきます。
 

こちらのページのまとめ
  1. アレルギーとは?
  2. 免疫の種類にはどんなものがある?
  3. 免疫の仕組みは人もペットも同じ
  4. アレルギーで多い症状とは?
  5. アレルギーを発症するペットは肌バリアが弱い?
  6. 食物も皮膚からアレルゲンが発症する?
  7. 遺伝的要因も?傾向の高い犬種は?
 
アレルギーとは?

そもそもアレルギーとは何か?
特定の物質に体の免疫システムが過剰に反応すること。
私たちの体には、細菌やウイルスなどの病原体が体内に入ってきた際に、それらを除いて体を守る「免疫」という働き=身を守るためのシステムがあります。

つまり、ある特定物質(アレルゲン)が体内に侵入すると体内では抗体が作り出され、これが抗原やアレルゲンを排除しようとします。
またこの免疫が食べ物や花粉などに過剰に反応してしまうことがあります。これを「アレルギー反応」と呼ばれています 。

免疫の種類にはどんなものがある?

免疫には、下記のの2種類(1.2)があります。
1.自然免疫
自然免疫とは、生まれながらに持っている免疫のことです。
大抵の場合、犬猫は普段は健康な状態だと思います。
普段健康でいられるのは自然免疫の力によるもので、体内に侵入してきた異物を、自然免疫がすぐその場で排除し症状が発生する前に対処してくれているおかげです。
2.獲得免疫
獲得免疫とは、生まれたのちにさまざまな異物に触れることにより獲得した免疫のことで、自然免疫では排除できなかった異物に対して働くものです。

 免疫の仕組みは人も犬猫も同じ?

この働きはもともと体にとって良い反応であり「免疫」と言われますが、抗体と抗原やアレルゲンが反応した結果、体に不利な病的状態を引き起こしてしまうことを「アレルギー」と呼びます。 この仕組みは人も動物も同じです。


アレルギーで多い症状は主に5つ

アレルギーで起きる症状は大きく分けて5つ
  1. 皮膚が赤くなる
  2. 体をかゆがる・よく同じ場所を舐める
  3. 耳がかゆい・汚れやすい・匂いがする
  4. 目が赤くなる・目の周りの毛が薄くなる
  5. 軟便


アレルギーを発症するペットは肌のバリアが弱い傾向がある

角層細胞は古くなるとはがれ落ち、その際にフィラグリン(フィラグリンとは、表皮の顆粒細胞で産生される塩基性タンパク質の1種)は分解されて、水分を保持するための「天然保湿因子」に変わります。
アトピー性皮膚炎の人の場合、フィラグリンを作る遺伝子に異常があり、セラミドの量も健常人より少ないことが解明されており、このことよりアトピーの人は肌が乾燥しやすい傾向があります。
アトピー性皮膚炎のペットについても、健康なペットに比べて皮膚から水分が蒸発する量が多くフィラグリンやセラミドの異常が指摘されています。

アレルゲンは皮膚からも
アレルギーを発症するペットは肌のバリアが弱い傾向がある

角層細胞は古くなるとはがれ落ち、その際にフィラグリン(フィラグリンとは、表皮の顆粒細胞で産生される塩基性タンパク質の1種)は分解されて、水分を保持するための「天然保湿因子」に変わります。
アトピー性皮膚炎の人の場合、フィラグリンを作る遺伝子に異常があり、セラミドの量も健常人より少ないことが解明されており、このことよりアトピーの人は肌が乾燥しやすい傾向があります。
アトピー性皮膚炎のペットについても、健康なペットに比べて皮膚から水分が蒸発する量が多くフィラグリンやセラミドの異常が指摘されています。


食物を含むあらゆるアレルゲンが皮膚から入る

食物アレルゲンは体内に取り込んだ後、腸から認識されると考えられてきましたが、近年の研究結果より皮膚からも食物アレルゲンが侵入することがわかってきました。
(経皮感作=正常な皮膚は、角質に守られており、異物が侵入しにくいつくりになっています。 しかし、湿疹などがあり、アレルゲンが皮膚のバリアを通過して、表皮や真皮に侵入すると、免疫細胞と反応して感作が起こります。 これを「経皮感作」といいます。)。
人では食物アレルギーや花粉症、喘息など皮膚以外のアレルギー性疾患も、皮膚のバリアが壊れてアレルゲンに暴露されることが発症のきっかけになる可能性が考えられています。


遺伝的要因もあるアレルギー
報告事例のが高い犬種は?


アレルギー性皮膚疾患は遺伝的な要因が関与するため、特定の犬種に好発する傾向があります。特にアトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種は、フレンチ・ブルドッグ、パグ、柴犬、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ヨークシャー・テリアなどが挙げられます。
また、飼育頭数の多いトイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドも、アレルギーで受診する犬が増えています。




シャンプーの回数にも注意が必要

皮膚炎の症状によっては週に2回以上のシャンプーが推奨されるケースもありますが、例えばラブラドール・レトリーバーとゴールデン・レトリーバーを対象にした研究では、過度に皮膚の清潔を保つ(シャンプーを頻回に行う)場合に発症リスクが上昇する可能性も指摘されており
原因がアレルギーである場合は過度なケアが皮膚バリアを障害しアレルゲンの侵入を助長している可能性もありますので注意が必要です。